情報量が増加して採用も一筋縄ではいかなくなってきた今、少しでも採用を面白くして他社との差別化を図ることは採用活動を成功に導くアプローチの一つです。そこで今回は、面白い採用を自分たちで実践できるように4つの型に分けて、参考となる事例とともにご紹介していきます!

面白い採用を行うことのメリット

面白い採用を行うことには実は様々なメリットがあります。

注目を浴びることで、エントリーが増える

面白い採用を行い、それがうまいことメディアやSNSで拡散されると、会社の認知度が上がりサイトへのアクセスも増えます。
当然求職者にも情報が行き、結果としてエントリー数の上昇に結びつきます。

他社との差別化ができ、選ばれる理由が明確になる。

面白い採用を行っている企業はそこまで多くはありません。なので、少し工夫するだけで採用を他社と差別化することができ、求職者の目からは自社が浮いて見えるようになります。

面白くする仕方が採用ターゲットの求めるものであれば、必然とターゲットから選ばれる訳です。

面白い採用の4つの型

面白い採用と一口に言っても様々なケースがあります。
そこで、今回は企業の面白い採用を4つの型に分類してみました。

①採用サイトやコンセプトを面白くする系

こちらは採用サイトや求人などのコンテンツ部分に工夫を凝らして面白くする型です。

企画力が試されますが、採用方法を変えるのでなく、見せ方を変えるので、既に会社のコンセプトがしっかりしている企業が行うとやりやすいです。

②エントリーに条件をつけて面白くする系

エントリーにあえて特殊な条件をつけることによって面白い採用の印象をつけることが可能です。
こちらも各社様々な面白い条件のつけ方をしています。

その条件の付け方で「私たちの求める人物像はこんな人」というメッセージを伝えることができ、それが話題になることで企業のブランディングにもつなげることが可能です。

③選考方法を面白くする系

選考方法を通常とは異なる方法で行うことで、面白さを付け加えることが可能です。
単に面白くするだけでなく、普通とは異なる選考方法を行う背景のメッセージを世間に伝えることで、企業ブランディングに結びつけることができます。

④採用の流れを独自化する系

通常採用のフローは以下のような工程を踏むことが一般的です。

会社説明会→エントリー(ES提出)→面接→内定

一方で、この採用のフロー自体を独自のやり方にすることで、他社の採用との差別化ができ、ユニークな採用にすることができます。

採用サイトやコンセプトを面白くする系 事例

顔採用、はじめます。 伊勢半グループ

化粧品ブランドであるKISSME(キスミー)を取り扱う伊勢半グループの採用キャッチコピーです。

もちろん、容姿による選考を行うというそのままの意味ではありません。

顔採用は、面接に好きなメイクできてもらうことです。
就活生にいつも通りの自分を表現してもらいたいという想いを込めています。

化粧品ブランドで容姿を扱う伊勢半グループが、就活生に普段通りの自分を表現して欲しいという想いをうまく企画にしています。

伝説のウェブデザイナー 株式会社LIG

ユニークなコンテンツ制作で有名なLIGですが、まだ名前が売れていな頃に尋常でないくらいバズった採用記事が「伝説のウェブデザイナー」です。

西暦2012年

株式会社LIGは深刻なデザイナー不足に見舞われていた。

そんな中、過酷な労働を強いられるデザイナー達が限界を迎えようとしていた。

この小説の一節のような書き出しから始まる、シュールで面白い採用記事が話題となり、たくさんの応募が来ました。

何か壮大な企画を取り入れるわけでもなく、単純にコンテンツの面白さで勝負して成功しているいい事例です。

ようこそ、ブラックな会社へ。 株式会社トゥモローゲート

株式会社トゥモローゲートの一風変わった採用サイトです。

「ようこそ、ブラックな企業へ。」といったインパクトあるファーストビューから始まります。

マイナスイメージを持つ「ブラック企業」という言葉をうまく使い、「ブラックな企業」としてブランディングしていくことで注目を集めました。

人前では暴力を振るわない会社 株式会社Luxy

池袋にある少し変わったシステム開発企業のLuxyの採用サイト、通称バイオレンスLPです。

「人前では暴力を振るわない会社」というキャッチコピーで、細かい伏線がサイト中に散りばめられています。

伏線を見つける度に思わず笑ってしまうような作りになっており、一種のエンタメとしても楽しめます。

普段から一風変わった活動をしているLuxyをよく表した採用サイトです。

質問に答える採用サイト アンファー株式会社

質問に答える採用サイト
https://www.angfa.jp/recruit/

アンファー株式会社の2021年新卒向け採用サイトは、採用候補者の質問に答える形式の採用サイトとなっています。

人気のQ&A・事業のQ&A・会社のQ&A・環境、制度のQ&A・社員、キャリアのQ&Aの項目に分かれて、Q&Aをベースに会社説明がされる形態です。

エントリーに条件をつけて面白くする系 事例

エントリーに受験料2525円を請求。 株式会社ドワンゴ

2016年の新卒採用向けにドワンゴが行った受験料制度。
選考にエントリーする希望者に対して2525円の支払いを要求するものです。

受験料をとることで、本気でドワンゴに入社したい人だけがエントリーするようになり、人材の選別と業務効率化を目的としました。

ちなみに受験料の2525円は「ニコニコ動画」からとっているそうです。

禁煙者採用 星野リゾート

面白い採用4
https://www.hoshinoresorts.com/recruit/

星野リゾートは喫煙者は採用しない方針でいます。
これには企業競争力を高めていくという明確な理由があります。

喫煙者はタバコを数時間や、タバコの効果が切れている時の集中力の低下などで作業効率が落ちることや、職場内に分煙スペースを作る予算を他に割きたいという施設効率をあげる目的でこの制度を取り入れています。

夫婦採用 面白法人カヤック

面白法人カヤックが、11月22日「いい夫婦の日」に夫婦一緒で働きたい人を募集した企画です

夫婦だからこそ作れる企画があるはずという狙いから、夫婦揃ってでの採用を行いました。
カヤックは現在鎌倉にオフィスを構えているので、実際に採用となった場合は、鎌倉に引っ越していただき、その分の家賃負担もする嬉しい福利厚生つき。

コンビ採用 アソブロック株式会社

株式会社アソブロックが行った、二人組で一緒にエントリーしてくることを条件とした採用です。

コンビ採用の目的3つありは、ライバルの存在が成長を促すこと・一人で新しい風を起こすのは難しいこと・周囲に認められる方にきて欲しいことです。

留年採用 株式会社東急エージェンシー

面白い採用6
https://recruit-tokyu-agc.co.jp/2021/ryunen-saiyo/

東急エージェンシーが行っている留年採用は、留年していること、留年が決まっていることがエントリーの条件です。

留年パスポートという制度もあり、一般の採用の枠で既に東急エージェンシーの内定が決まっている方が入社時期を1年ずらせる制度です。この制度を活用して留年して1年間かけてどうしても自分がやりたいことを成し遂げてもらうことを目的としています。

留年した人は「何かをやり切った人」と東急エージェンシーは捉えており、長期留学や起業、アルバイト、学問へのあくなき探求など留年中に行った経験を高く評価しています。留年した分の自分の武器・魅力を持っている人を採用するために行っている施策です。

No.1採用 ソフトバンク

何でもいいので一番をとった実績を持つ人のみがエントリーできる制度です。

それが何であろうがNo.1を勝ち取ることには大きな価値があり、それだけで他の人とは違う優れた経験、能力の証明になると捉えています。

No.1採用を行うことで自然と優秀な人材を集めることが狙いです。

バラエティ採用  株式会社ピーエスシー

バラエティ採用
https://www.psc-inc.co.jp/recruit/index.html

2014年に株式会社ピーエスシーが行ったバラエティ採用は、通常の採用過程で評価することが難しい特定分野に秀でた能力を見極め、多方面に活躍出来る優秀な人材を採用することを目的としています。

以下の条件の中で一つでも当てはまるものがあればエントリー資格を得られるという形態をとっています。

・大会で優勝をした経験がある(個人・団体・ジャンル不問)

・部員数50名以上の部活動において補欠であったが最後までやり遂げた

・誰にも負けない「スマイル」を持っておりアルバイト等の活動を通じて表彰された

・奨学生として学校から認定を受けている(学費融資申請者は除く)

・接客業のアルバイトリーダー経験がある

・世界一周をした経験がある

・中学時代もしくは高校時代に皆勤賞を獲得した

・Facebookで300以上の「いいね!」を獲得した記事作成経験がある

・Twitterのフォロワー数が500人以上いる

・バイリンガルである(留学生可/日常会話レベル以上)

選考方法を面白くする系 事例

いちげー採用 面白法人カヤック

ゲームの上手さで内定を出す採用です。
実際には以下の3つの選考方法があります。

・獲得率0.1%のプラチナトロフィーを持っていれば1次選考免除できる「プラチナトロフィー選考」
・過去の自分のゲーム歴を詳細に書いた履歴書を提出する「ゲーム履歴書選考」
・実際にゲームをプレイして、ゲームの上手さを見せる「協力プレイ選考」

ゲームがうまいということは、実はビジネスで必要な突破口を見つけたり、困難を乗り越える問題解決能力が高いことの証明だとカヤックは考えており、そんなゲームがうまくて優秀な人材を採用しようという狙いでいちげー採用を行いました。

麻雀採用 株式会社スターティア

頭脳のスポーツと言われる麻雀では、駆け引き・決断力・マネジメント力などビジネスシーンで必要な能力が試されます。

株式会社スターティアは、そんな麻雀の腕がある人材は優秀であると考えて、2017年より麻雀を選考で活用するようになりました。

野球採用 株式会社サンチャレンジ

野球が大好きな会社、株式会社サンチャレンジが行っている「野球採用」

一般の採用で行う、ESや面接やテストなどを全て排除して、一緒に野球をプレーしてチームワークを確認して採用するかしないかを決めるものです。
本性が出やすいスポーツを通して候補者の性格や能力を見極めることを目的としています。

絵ごころ採用 株式会社サーチフィールド

面白い採用

絵ごころ採用は履歴書の代わりに、グラフィッカーが持つポートフォリオを送ってもらうことで、自社にあう人材かどうかを判断します。

クリエイターとしてまずは自分のポートフォリオのみで勝負することができ、企業側も履歴書を見る手間が省けて業務小売かが可能です。

 

紙ヒコーキ採用 株式会社デパート

紙ヒコーキ採用では、面接に紙飛行機を持ってきてもらいます。

クリエイターの表現力を自作の紙飛行機で確かめることを狙いとしており、実際に様々な紙飛行機が持ってこられたそうです。

卒制・卒論採用 チームラボ

チームラボが行うエントリーシートの代わりに、卒業制作や卒業論文で選考を行うのが卒制・卒論採用です。

自己PRや履歴書ではなく、実際に作った「もの」や「実績」で評価することにより、優秀なクリエイターを選別します。

スクショ採用 メルカリ

スクショ採用
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1705/16/news109.html

株式会社メルカリが行ったスクショ採用とは、履歴書の代わりに、自分が使っているスマホのホーム画面のスクリーンショットを送るというものです。

ホーム画面上に置かれているアプリを見ることで、プロダクトに対する興味関心の高さや情報感度の高さを見ることができます。

採用の流れを独自化する系 事例

オンライン採用 セプテーニグループ

新型コロナウイルスの影響で、緊急事態宣言のもと外出自粛が促されてからは、採用のオンライン化は当たり前になってきましたが、それよりもずっと前からオンライン採用を行っていたのがセプテーニです。

会社説明会も面接も全てオンラインで完結させることで、地方の優秀な人材の獲得や、会場費などの経費の削減ができます。

面接なし選考 株式会社エニッシュ

2014年に株式会社エニッシュが行った面接なし選考ではその名の通り面接を行いません。
面接はせずに、実技テストの一発勝負で採用を行います。

募集職種はエンジニアとディレクターで、エンジニアではプログラミングの実技テストを、ディレクターとはゲームを通して選考を行います。

日本一短いES 三幸製菓

日本一短いES

2016年に三幸製菓が行った日本一短いESでは、ウェブ上で「おせんべいは好き?」「ニイガタで働ける?」と質問され、これに「Yes」か「No」で回答して、あとはメールアドレスを登録するだけです。

なぜこのようなことを行ったかという質問に対して当時の三幸製菓の人事部の方は以下のように答えています。

「必要な情報を必要なタイミングで貰えればいいのであって、最初の段階で膨大な情報をESで出してもらう必要はありません。そこで、何が最初に必要か考えたところ連絡先だけで十分、という結論に至りました」

世間一般の採用フローに囚われず、自分たちの会社にあった採用方法を構築することで、企業も候補者もどちらも得をするいい事例です。

いつものあなた選考 TAKEUCHI株式会社

いつものあなた選考とは、候補者に普段通りの自分を出して欲しいという想いでTAKEUCHI株式会社が行っている採用手法です。
いつもの自分を出してもらうために、スーツを禁止する他、普段通りの自分を発揮できる場所を候補者が選び、そこに面接官が赴くというスタイルをとっています。

会社に候補者が訪問するのではなく、候補者が指定した場所に面接官がいくという形態が新しいですね。

まとめ

面白い採用を行う上で大切なことは、目的を見失わないことです。

今回の事例では、優秀な人材を獲得するために選考方法を面白くしたり、業務効率化のために選考のフローを独自化したり、企業メッセージを候補者だけでなく世間に発信する広報活動の一環として採用を面白くしたりと、しっかりとした目的が設定されています。

面白さと目的達成のどちらも兼ね備えて各社の事例を参考に、ぜひ面白い採用に挑戦してみてください。