遠隔地の従業員を管理する上での課題
新型コロナウイルスの影響で大企業も中小企業もテレワークの導入を行わざるおえない状況にあります。
基本的に多くの企業がテレワークに対する事前準備はできていなかったので、この機会に新たな試みを行う必要があります。
経営者や人事担当者がテレワークの導入を円滑に進めるにあたって最も大切なことは、リモートの従業員が直面する課題を理解しようとすることです。
いかに優秀な従業員であっても、新しい働き方に適応するためには時間がかかります。
移行中にパフォーマンスの大幅な低下がみられたとしても当然のことと思いどのように解決するかだけを考えましょう。
テレワークにおける4つの課題
テレワークを成功させるためには、リモートで働く社員が直面する課題を理解する必要があります。
課題1:自宅での注意散漫
全員が自宅での作業環境が既に充実しているわけではありません。効率的な作業が行えるように、まずは自宅の環境を準備をしなければなりません。
一部の社員はおそらくテレビの前でソファーから作業したり、子どもの面倒をみながら作業したり、小さいモニターをみながら作業したり、通信速度の遅い環境で作業したりと何かしらの不自由がそこにはあるでしょう。こう言った不自由は社員の注意散漫を招きパフォーマンス低下に影響します。
課題2:対面での接触が不十分
上司との十分な対面の接触がないことで、コミュニケーション量が不足し、社員は上司から十分なサポートを受けられず、業務を遂行できないと感じるかもしれません。
課題3:社会的孤立
テレワークと外出自粛により、普段より社会とつながっている感覚が薄れてしまいます。それにより、孤独感によるストレスや会社に所属しているという感覚を失う可能性さえあります。
課題4:エンゲージメントを維持する
人事部はテレワーク環境下で社員のエンゲージメントを構築し維持する方法を見つける必要があります。
テレワークで社員をマネジメントするための5つのヒント
リモートでも社員をしっかりマネジメントできる体制を作るために参考となるいくつかのヒントをご紹介します。
ヒント1:頻繁にコミュニケーションする
テレワーク成功の秘訣は会社のメンバー同士のオープンなコミュニケーションです。テレワークでは何もしなければ社員間のコミュニケーションは減るので、意図的に会社側からコミュニケーションをとる機会の設定をする必要があります。
頻繁なコミュニケーションの設定の例として重要なのが始業時のコミュニケーションです。
テレワークでは仕事とプライベートの切り替えが曖昧になってしまいます。そこで、その切り替えができるような朝のコミュニケーションの時間を設定することで、社員のパフォーマンス向上を狙います。
例えば、毎朝11:00など決まった時間に社員が5分ほどオンラインで顔を合わせてコミュニケーションをとる「朝会」を開いているところもあります。上司と部下の1on1を仕事が始まる前に設定している企業もあります。
毎朝このようなコミュニケーションをとることでその1日のパフォーマンスをあげるというデータもあります。
ヒント2:適切なツールを使用する
テレワークにおいて情報共有が自然と行えたり、テキストでもスムーズにコミュニケーションをとてるような環境を整えることは必要不可欠です。
そのために、自分たちの会社にあったツールを活用しましょう。
新しいツールの導入、普及には時間がかかると思い、なかなか手を出せないでいる企業も多くありますが、一般的に多くの社員は、チャットツール、クラウド、およびさまざまなビデオ会議システムをある程度使いこなすことが可能です。実際にツールを導入した場合によく使うことになる社員と一緒に導入を検討してみましょう。
最もよく知られているツールとして、Slack、chatowork、Trello、Microsoft Team、またはZoomがあります。これらのツールは使いやすく、迅速かつ効率的な連携を可能にする多くの便利なオプションがあります。
ヒント3:社員の労働時間が適切かを確認する
見落としがちなポイントとしてテレワーク導入による働きすぎ問題が挙げられます。
テレワークではプリアベートと仕事の切り替えが曖昧になるので、いつまでも仕事をし続ける社員も出てきます。
これは適度な休憩を取らない、家を出ない、また終日仕事以外何もしないなど身体的にも精神的にも不健康な習慣を形成する可能性があります。またオンラインでのコミュニケーションツールの活用により、四六時中会社とつながっている感覚になり、プレッシャーを感じるようになってはいけないので、勤務時間以外や週末にはこれらのツールの使用をできないようにするルールを作る必要があります。
ヒント4:雑談を取り入れる
リモートでも社員のパフォーマンスを維持するために大切なポイントの一つは「雑談」です。
雑談をする機会を意図的に作り出すことで社員の社会的孤立感を減らし、会社への帰属意識を強めることができます。
例えばチームミーティングは毎回雑談から始めるなどルールを作ることは効果的です。
ヒント5:ストレスの兆候に注意する
一緒のオフィスで働いている時には、社員のストレス兆候を認識する環境は整っているでしょう。
具体的な施策がない場合でも、実際に社員が目の前で苛立ちを見せていたり、頻繁に欠席したり、生産性が低下しているのを見れば何かしらの問題があると気付きます。
一方で、テレワーク時には実際に社員の状況を確認し続けることはできないので、その分の対策が必要です。アンケートやUniposのようなツールを導入することはおすすめです。
リモートの社員の課題を理解しながらテレワークへの移行を進める
通常の作業場からテレワークへの移行は、特に変更が突然で計画外の場合、関係するすべての関係者にとって困難です。リモートの社員が直面する課題を理解し、上記のヒントを使用して社員のニーズに応えることで、この移行をより快適に行うことができます。