ここ最近「タレントプール」という言葉が注目されています。タレントプールはアメリカの大手コンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」によって提唱された人材不足時代の採用手法です。本記事では、ここから先、導入しているかしていないかで大きな差が出るタレントプールについて、その全体像を解説してきます。

タレントプールとは? いつか一緒に働きたい仲間リスト 

タレントプールとは、企業側が今までに接点を持った求職者を管理するデータベースのことを指します。

このデータベースを管理・活用することで、企業と求職者が継続的に接点を保つことができ、当初は採用に至らなかったとしても、お互いのタイミングが合った時に採用に結びつけることができます。

 

採用活動をしていて、「この人とても優秀なんだけど、今ポジションが空いていない」とか「この人は将来的に相当優秀になりそうだけど、今採用すべきではない」といったタイミングのズレが生じる機会は少なくないです。

求職者側も「この会社で将来的に働きたいが、ファーストキャリアは別の会社がいい」などのようなタイミングのズレはあります。

 

この採用における様々なタイミングのズレを解決するために、いつか一緒に働きたい仲間リストとして採用候補者のデータベースを形成して、定期的に接点を持ち、最終的に採用に結びつけるのです。

タレントプールのメリット

採用機会の増加 

今までの採用は、最初の接点のタイミングで採用・不採用が決まる一回完結型でした。

一方で、タレントプールを活用するとその場のタイミングだけでなく、中長期的に採用・不採用を何度も決めることができるので、1度の出会いから採用機会を何度も創出することが可能です。

採用のミスマッチの低減

「巨額の採用費用をかけて採用した人材が、入社がすぐにやめてしまった。」そんな経験をもつ企業様は少なくないと思います。

求職者視点でも企業側視点でも、最初に思っていたイメージとズレが生じる、つまり採用のミスマッチが原因です。

なぜ採用におけるミスマッチが生じるのかというと、既存の採用スタイルは求職者と企業が出会ってから採用に至るまでの期間が短いことが原因です。

タレントプールを使った採用では一般的に、出会ってから採用に至るまでの期間が長くなる傾向があります。ここの期間が長くなることによって、求職者も企業側もお互いのことを深く理解したのちに採用に至るので結果として採用のミスマッチが低減します。

転職潜在層へのアプローチが可能になる。

転職潜在層とは、「今すぐではないが、中長期的には今の会社を転職しようと思っている層」のことをいいます。

転職潜在層は実は多くいて、30代以下の若者見た場合、76%が転職潜在層と言われています。

(参考:https://forbesjapan.com/articles/detail/22312

タレントプールを活用するとこの転職潜在層にアプローチが可能になります。

イベントやSNSを通じて転職潜在層と接点を持ち、タレントプールに組み込むのです。

求職者側も、今すぐ転職したいわけではないので企業と会う理由が「面談」だと尻込みしますが、タレントプール制度があると、会いやすくなります。 

まとめると、企業側のメリットは「採用コストの削減」

導入することで様々なメリットのあるタレントプールですが、企業側のメリットはまとめると「採用コストの削減」になります。

一度接点を持った求職者や転職潜在層から採用機会を創出することで、今まで求人広告や人材紹介会社などでコストをかけてきた求職者との接点づくりを代替でき、その分のコストを削減できます。

また、採用のミスマッチが低減することも採用コスト削減につながります。

タレントプールのデメリット

工数がかかる

タレントプールを用いた採用は、採用コストを削減できるという大きなメリットがありますが、一方で工数がかかります。タレントプールに人を集めることや、データベースの形成、そしてプールした人材とは継続的な接点を持つ必要があるので、コツコツとした努力が必要です。

こちらの工数を削減できるタレントプール専用のサービスは記事の最後の方でご紹介しますが、タレントプールを管理する労力が必要なことに変わりがありません。

「今すぐ採用したい」というニーズにはそぐわない

タレントプールを活用した採用は中長期的な採用施策です。実際に取り組み始めてからタレントプールから人が採用できるようになるには、それなりの期間がかかります。ですので、今すぐ人が欲しいというニーズに答えることはできません。

採用視点での企業の魅力が問われる。

タレントプール採用のメリットの一つとして求職者と企業側のお互いの見極め期間が長くなることにより、採用のミスマッチが低減することを挙げました。

しかし、これは裏を返すと、見せかけではなく自社の本当の姿が求職者に伝わるということです。ですので、企業側は求職者が働きたいと思えるような環境を持っていることが必要です。

タレントプールを導入した方が良い企業

タレントプールのメリットとデメリットについて説明いたしました。

では、実際にどのような企業がタレントプールを導入すると良いのかを説明いたします。

①採用候補者との出会いが多い企業

タレントプールに組み込む人材の人数が多ければ多いほど、タレントプールはその効力を発揮します。求職者や転職潜在層との接点が多い企業や、接点をこれから作ることが可能な企業は導入がおすすめです。

②タレントプールの管理をできる人がいる企業

タレントプールの管理にはある程度の労力が必要な上、データを管理・活用するので、適性もあります。タレントプールの管理・活用に適した人材がいる企業は導入がおすすめです。

③採用視点での魅力が高い企業

例えば、ネームバリューのある企業や、技術が高いということで知られている企業がタレントプールを設置すると、そこまで労力をかけないでも、データベースに人を集客することが可能になります。

タレントプールが合わない企業

①採用候補者と接点が少ない企業

採用候補者との接点が少ないと、データベース上に人がたまらないので、労力に見合った効果を得ることができません。採用候補者との接点が少なく、増やす術がない企業にはおすすめしません。

②社内リソースを割けない企業

タレントプールにはデータの管理・活用に工数がかかるため、そこに労力を割けない企業様にはおすすめしません。

 

タレントプールを活用した採用のステップ

タレントプールに人材を集客

まず初めにタレントプール内に人材のデータを集めることから始めます。

集客先としては、「既存の採用手段で接点を作った採用候補者・ホームページ流入者・自社のイベントや勉強会の参加者・SNS・離職者」があります。

それぞれ、タレントプールに登録する流れを設計します。

基本的には登録フォームを作り、接点を持った場面で登録してもらうように促します。

データベースの作成・管理

まずはデータベースをどこで管理するかの問題があります。

タレントプール専用の有料の管理システムを利用すると簡単です。

それ以外にも、FacebookやSlackを組み合わせて活用したり、エクセルで管理することもできます。

 

データベースで管理するべき情報は以下の通りです。

基本情報(名前・年齢・性別・勤務先)/最後に会った日/スキル/転職の意向/仕事のモチベーション/自社への関心度/それ以外のメモ(キャリアプラン・会った時に話したことなど)

定期的に接点を持つ

自社への関心を持ってもらうためやデータベースでの情報を更新するために、定期的にプールした人材とはコミュニケーションをとることが必要です。

このコミュニケーションを怠ると、せっかくデータベースとして情報を持っていても、候補者の方は自社への関心度が下がってきて、最終的に採用に結びつくことはございません。

簡単な連絡から、実際にイベントへ招待したり、ランチをしたりなど、小まめなコミュニケーションを心がけましょう。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回はタレントプールについて、メリット・デメリットや大まかな実践方法を説明いたしました。

SNSの発達で個人と企業が直接つながる機会が増加したことでタレントプールの重要性はますます上がっています。

ぜひ自社でもタレントプール導入を検討してみてください。