約8割の国内企業が導入しているリファラル採用。採用コスト低減や企業文化とのマッチング率の向上を期待できるとリファラルが採用の多くを占める企業も増えてきています。本記事では、導入するにあたって、ぶつかるであろう壁を洗い出し、その解決策とともにご紹介します!
目次
リファラル採用とは?
リファラル採用とは、自社で働いている社員やOBOGなど、既に自社のことをよく知っている人の人脈を活用し企業のニーズにあった人材を紹介してもらう採用活動です。通常は採用活動に多くのコストをかけられない中小企業、ベンチャー企業などで多く導入されていますが、最近は大企業からも注目を集めています。
リファラル採用を導入するメリットのおさらい
リファラル採用を導入することで、経営課題の改善にも繋がることがわかります。
- ビジョンや理念の浸透
- 社員の当事者意識に繋がる
- 採用費の削減
- 離職率の低減
- 決定率向上により採用工数の削減
- 即戦力採用や入社後の早期即戦力化が見込める
そもそも、リファラル採用に必要なスキルとは?
まずは人事として、自社採用の戦略とリファラル採用の位置付けを明確にし、人事課題や採用課題を解決するソリューションとしてリファラル採用を実践することが重要となります。
しかし、人事としてのスキルだけではリファラル採用はうまく行きません。
ここで必要となってくるのがマーケティング力です。
リファラルでの採用を促進するには、「社員への認知」と「いかに行動を起こさせるか」が肝となります。社内全体ではなく、どの社員にどのようなメッセージングをすると紹介に到るのかなど、導線を考えたコンテンツを発信していくことになります。
リファラル採用で陥りやすい失敗事例と解決方法をご紹介
まずは多くの企業がぶつかる課題をご紹介します。
- 目的・目標が明確になっておらず、取り組む意味が理解できない
- 経営層、上位役職者の協力が得られない
- 短期間での成果が求められる
- 自社の社員特性に合わせた巻き込み方をしていない
- 社員に定期的に周知すべきコンテンツがわからない
- メールやチャットなどのオンライン上で完結してしまっている
- 社員のリアクションが定量的に把握できておらず、PDCAが回せない
①目的・目標が明確になっておらず、取り組む意義が理解できない
まず初めに、リファラル採用を導入する企業がやりがちなことは、リファラル採用を導入する経緯を十分に説明せずに、「いい人を紹介して」と社員に伝えてしまうことです。これでは友人を紹介する意義が見出せず、制度が形骸化してしまいます。
また、人事側もリファラル採用制度を導入することが目的となってしまい、定性・定量的な数値目標が立てられず、導入したはいいが効果を確認し改善していくPDCAが回せなくなってしまいます。誰が見てもわかりやすい目的・目標を設定しましょう。
<OK例>
目的:現場社員で仲間集めすることで、当事者意識を向上させ持続可能な採用チャネルを確率する
目標:○名の社員が自社を紹介し、○名の採用決定、○円のコストカットを実現
②経営層、上位役職者の協力が得られない
リファラル採用は、人事だけが発信している状態ではあまり効果は見込めません。経営層・上位役職者を巻き込み、会社として本質的に「全社員採用が必要である」と伝えなければ、社員は動きません。下記のように、経営課題に直結するソリューションであることを明確にして伝えましょう。
<OK例>
アピールポイントを明確にしましょう。
・リファラル採用により当事者意識が生まれ、理念を浸透させることができる
・信頼する社員からのリファラルを促進することで、経営戦略の一環として組織力の強化、カルチャーフィットした人材採用の強化を図流ことができる
③短期間での成果が求められる
大手企業だと特に心配されるのがこちらではないでしょうか。リファラル採用は、開始してすぐに結果の出る施策ではありませんので中朝的な戦略として以下を認識してもらうことが大切です。
<OK例>
・いきなり応募が来るわけではない
・中長期戦略であり、社員への認知、浸透、当事者意識の向上、リファラルの活性化と、ここまできてやっと人事の工数が削減できるようになる
・初期の制度設計や認知までの負荷がかなりかかりますが、仕組み化してしまえば採用コストダウン、通年で会社と合う人材の確保が可能になる
④自社の社員特性に合わせた巻き込み方をしていない
あなたの企業の社員は、他の企業の社員とは同質ではないことがほとんどです。自社の社員特性を調査し、それに合った施策を打っていくことが重要となります。
<OK例>
・業界や企業規模、職種、平均年齢、ロイヤリティによりコミュニケーション方法は異なると認識
・自社サインを一括りに捉えず、それぞれの適性を考える
また、それぞれの企業には3つの人材層があります。
A:ロイヤリティが高く、積極的に友人紹介をする
B:受動的ではあるが、転職を考えている友人がいれば紹介する
C:自社を友人に紹介したくはない
企業によって様々ですが、約2:7:1の割合で上記の人材がいます。
全員に積極的に紹介をしてもらえなくても、最初はAの人たちに協力してもらい、会社として成功体験を積んでからBの方々にいかに紹介してもらうかが重要なポイントとなります。
上記を踏まえて、リファラル採用を浸透させる戦略を組みましょう。
⑤社員に定期的に周知すべきコンテンツがわからない
リファラル採用を導入したての企業がやりがちな事として、何をコンテンツとしたらいいかがわからないため、
- リファラル採用を導入する意義を十分に共有しない
- 定期的に募集ポストとインセンティブの情報をメールで配信する
ということがあります。
リファラル採用の成功の鍵は「認知」させることです。人間は、1週間に77%のことを忘れます。特にメインミッションでない採用のことは忘れがちです。上記の方法では、普段思いつくどころか、メールすら確認しない社員も出てくる可能性があります。
<OK例>
- リファラル採用を導入する意義を共有
- 多様な告知方法を駆使(メール、社内イントラ、ポスター、説明会など)
- 告知頻度をあげる(月数回のメール配信、社員総会で表象、入社研修で認知させる、MGR向け説明会を実施するなど)
- 告知内容の改善(年間採用目標人数と進捗・募集ポスト・声かけ事例・社内の制度ニュースなどを共有)
上記のようにコンテンツ内容を充実させ、認知する頻度をあげることで、様様な角度からリファラル採用について知ることができ、認知度が格段に上がります。
⑥メールやチャットなどのオンライン上で完結してしまっている
上記とも繋がってきますが、オンラインだけの告知では不十分です。
<OK例>
日頃から目に触れる場所にポスターを貼ったり、全社会などでの共有や、経営層や上位役職者から直接リファラル採用の重要性を伝えてもらうことで、自分ごととして捉え、紹介数が増えていく要因となります。また、直接伝えることで、紹介する上での障壁があればその場で取り除くことも可能となります。
⑦社員のリアクションが定量的に把握できておらず、PDCAが回せない
ここが一番ネックとなり形骸化しやすいポイントです。どのくらいの社員が反応・共感、協力し、声をかけ、応募獲得しているのか。ここを明確にしなければ、PDCAを回すことも目標値を達成することも難しいでしょう。
<OK例>
これは会社により変わってくるかと思いますが、自社でシステム化し管理するか、リファラル採用支援ツールを導入するかしましょう。目的別に集めておきたいデータは以下を参考にしてください。
①協力社員を増やす(協力率・認知率)
・メール開封率
・リンククリック数
②紹介社員を増やす(多くの社員をどう動かすか)
・求人ごとの社内PV
・社員毎の自社求人PV
・声かけ数
・紹介者数推移
③一人当たりの紹介数を増やす(最大化)
・求人毎の紹介数
・社員毎の紹介数
・実際に紹介をした社員のトークスクリプト
④紹介角度を高める
・紹介したが決定に至った割合
・社員が紹介し決定した人のデータ共有
最後に
リファラル採用制度を導入する企業が陥りやすいポイントをまとめてご紹介しました!是非参考にしていただき、リファラルでさらに良い職場環境を築いていきましょう。
参考:my refer