昨今話題のリファラル採用。企業は採用活動だけではなく、社員のエンゲージメントやモチベーションを高める施策に積極的に取り組むことが求められており、注目を集めています。
本記事ではスタートアップの導入事例はもちろん、大企業の導入事例をご紹介します!
そもそもリファラル採用とは?
リファラル採用とは、既に自社で働いている社員やOBOGの人脈を活用し企業のニーズにあった人材を紹介してもらう採用活動です。通常は採用活動に多くのコストをかけられない中小企業、ベンチャー企業などで多く導入されていますが、最近は大企業からも注目を集めています。
リファラル採用のメリット
①転職潜在層にアプローチ可能
②ミスマッチのない採用が可能
③ 定着率の向上
④採用コストダウン
①転職潜在層にアプローチ可能
リファラル採用をすると転職を検討していない層にもアプローチが可能になります。通常採用というのは市場に出回っている人材を各社で奪い合っている状況です。そのため優秀な人材は競争率が高く、ブランド力や資金力に多いに影響されてしまいます。しかし、転職潜在層であれば競合がいないため、スムーズに採用ができる可能性があります。
②ミスマッチのない採用が可能
通常、市場に出回っている人材を採用する場合、お互いのことを十分に知らないうちに採用してしまい、スキルがマッチしなかった、社風が合わなかったなどの理由で離職する場合があります。しかし、リファラル採用は既に社内のことを十分に知っている社員が企業に合う人材を紹介し、また社員より紹介者のリアルな話が聞けるため、良いマッチングが可能となります。
③定着率の向上
良いマッチングが可能となることで、離職率が下がります。リファラル採用では入社前から社内の雰囲気などを知ることができ、また気の知れた知人が社内にいることで、業務はもちろん精神的なサポートが可能となるため、入社直後のコミュニケーション不足によるモチベーションの低下を防ぐことができます。
④採用コストダウン
リファラル採用では、質の高い母集団形成が可能となります。人材紹介会社にかかる費用や必要以上の採用コストを割く必要がないため、大幅なコストを削減することが可能です。
実際、紹介報酬や紹介を促す制度設計などは必要となりますが、市場から人材を見つけるのと比べれば大幅なコストダウンが可能となります。
どのような企業が導入すべきなのか?
①中長期的に採用コストを抑えたい企業
②従業員のエンゲージメントを向上させたい企業
①中長期的に採用コストを抑えたい企業
リファラル採用は一人当たりの採用コストを下げることが可能です。採用に関する費用をできるだけ抑えつつ、優秀な人材を定期的に採用したいスタートアップや中小企業には最適です。
②従業員のエンゲージメントを向上させたい企業
そもそもリファラル採用をするには、従業員自身が「自分の会社が好きで友人に紹介したい」と思うことが大切です。そのためリファラル採用制度を設計していくにあたり紹介したい企業となるため福利厚生の充実た、紹介した友人が入ってくることで既存社員のモチベーションに繋がり、結果的にエンゲージメントを向上させることができます。
リファラル採用がうまくいく 企業は何をやっているのか
ここで、実際にリファラル採用を導入している企業の事例を見ていきましょう。
合計6社の様々な取り組みをご紹介します。
- メルカリ
- サイバーエージェント
- エウレカ
- 串カツ田中
- クレディセゾン
- アクセンチュア
①メルカリ
フリマアプリ「メルカリ」を運営している企業。リファラル採用の事例には必ずと言って良いほど載っており、採用の6割がリファラルからと言われています。実際に打っている施策をご紹介します。
・3つのバリュー:Go Bold, All for One, Be Professional の浸透
・紹介者との会食費負担
・上記会食報告は3行のメールで完了
・社内イベント「Drink Meetup」開催
・オウンドメディア『mercan』の運営
など、紹介する際の障壁を低くする施策が多く設置されています。
企業として大事にして居ることを明確に示し、紹介する際にコストがかからない仕組み作り、採用ブランディング、紹介者を連れてきやすいイベントを作っていますね。
②サイバーエージェント
Ameba関連事業とインターネット広告事業を主とする企業。リファラルで半年に400人の採用候補を集めた企業がしていることとをご紹介します。
・35歳以下の社員にリファラル採用に関するメルマガを送付
・友人に紹介しやすい文面でアピール
・興味を引くよう漫画で描かれたリファラル採用のポスターを作成
・社内のカフェテリアなどリラックスする場に掲示
定期的にリマインドする企業は多いようですが、メルマガで配信するのは珍しいですね。それ以上に接点を増やし、普段から気に掛けるきっかけを沢山作り、リファラル採用を行っているようです。
③エウレカ
恋愛マッチングサービスの「pairs」、カップルのためのコミュニケーションツール「Couples」を提供する会社。2016年に入社した採用責任者が行った施策により、当時はエージェント経由の入社が8割だったのに対し、現在は採用の8割がリファラルで採用できている施策をご紹介します!
・3ヶ月のリファラルのキャンペーン期間を実施
・紹介数100名、採用数25名という明確な目標を設置
・5名ほどのチーム対抗形式にして、競わせた。
・コーポレートブランドを育成
期間・人数など明確な目標を設置することにより、短期集中でリファラル採用の成功体験を積む事で、さらにリファラル採用が加速したそうです。目標達成意欲の高いメンバーが多いエウレカではならではの施策かも知れません。他にもコーポレートブランドを育成するために、社内の様々な情報を発信する「eureka TechBlog」開設し、コーポレートサイトのリニューアル、外部のイベント登壇や自社イベントを実施しています。
④串カツ田中ホールディングス
「大阪伝統の味 串カツ田中」を170店舗展開する企業。事業拡大のスピードが早まり採用人数が増加するに伴い、「採用コストの高騰」「離職率の上昇」といった課題に直面したそうです。その際に注目したのがリファラル採用でした。
・「できるだけ社員に還元していきたい」という強い思いを発信
・経営層を含め全社でリファラル採用を推進
・福利厚生の充実:年間休日・賞与を増やすことや、教育体制を整備
・ツールを導入し人事の手間を省く
・協力してくれている社員の見える化、ランキング化
串カツ田中ホールディングスは、リファラル採用ツールを導入することにより負担を少なく、そして紹介状況を見える化することにより、社員同士で紹介の仕方の改善などが行われ、自発的に紹介してくれるようになりました。実際、離職率が37%だったところ、リファラル採用を開始後17%まで下がりました。
⑤クレディセゾン
日本のクレジットカード会社であるクレディセゾンは、新卒採用においてナビサイト経由では求める人物像に近い母集団形成が難しいこと、選考におけるミスマッチが課題としてあり、求める人材の母集団形成をどうすれば出来るのかと考えた際に検討したのがリファラル採用でした。
・リファラル採用ツールの導入
・リファラル採用の意義を徹底的に伝えることの注力
・社内報で“内定者が取り組むリファラル”についてインタビュー記事
実際、リファラルを通じて、内定者が自発的にイベントの企画内容を作ってくれたりと、クレディセゾンを自分事として捉え、内定者一人ひとりが主体となって、会社の未来を創る仲間を集めることにより、ロイヤリティが高まることは非常に意義があることだと実感したそうです。
⑥アクセンチュア
アイルランドに本拠を置く総合コンサルティング会社。2015年より組織風土改革『Project PRIDE』に取り組んでおり、採用者数もここ数年で1000人を超え採用力を飛躍的に向上させているアクセンチュア。その背景には、「採用市場が激化する中、良いい人材採用ができなくなる」という危機を迎えた時期がありました。
・6つのコアバリューの浸透
・徹底的な数値化を行い、各種KPIを設定、PDCAのサイクルを構築
・経営上最優先課題であることを周知
・リファラル採用専用募集ページの作成
アクセンチュアの施策はシンプルですが、全社をあげて社内の労働環境の改善やロイヤリティの向上に尽くし、制度だけでなく環境から整備していく姿勢には大きな覚悟を感じられます。
まとめ
以上リファラル採用の概要と、リファラル採用で成功している企業6社の紹介でした。是非参考にしてあなたの会社もリファラルで採用活動を促進していきましょう。