昨今注目を集めているリファラル採用。社員やOBOGの人脈を活用し企業のニーズにあった人材を紹介してもらう採用活動です。採用のコストダウンや社員のロイヤルティが高まるとあり、今やどこの企業も導入しています。上手くいっているように見える企業にもある、リファラル採用の失敗事例と解決方法をご紹介します。

リファラル採用の成功事例はこちらの記事で紹介しています。
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なぜリファラル採用は注目されているのか?

リファラル採用が注目される背景には、米国企業のGoogleやFacebookが導入し、福利厚生が充実し社員満足度も上がっているという事例があります。

また、特に日本は労働人口の減少による圧倒的な売り手市場、ミレニアル世代の台頭、働き方の変化などの時代背景が背景にあります。

その上、企業としては魅力的なメリットがあることにより導入が加速しているようです。

リファラル採用のメリット

  • 転職潜在層にアプローチ可能
  • ミスマッチのない採用が可能
  •  定着率の向上
  • 採用コストダウン

なぜ多くの企業にとってリファラル採用は難しいのか?

リファラル採用は一朝一夕に実現できるものではなく、様々な準備や社員や役員の協力をえなければ制度として成り立つのは難しいのです。

実際、よく失敗例としてあげられるのはこちらです。

  • 採用担当の工数が増え負担が増える
  • 社員からの紹介が起きない
  • 紹介したい会社とは言えない
  • インセンティブ目的の紹介
  • 人材の同質化
  • 紹介者か被紹介者がやめた時、他方も辞めてしまう
  • 採用時の情報の可視化が困難
  • 紹介者同士の人間関係への配慮

今回は様々な規模、業界の合計4社からリファラル採用の実際の失敗事例10 件分をインタビューしてきました。他社の失敗から学べるポイントは多いのでぜひ参考にしていきましょう。

周りの企業に聞いてみた!リファラル採用の失敗事例<4社>

1社目:20年間リファラル採用100%!それでも失敗してしまう理由とは

ヒアリング対象:Aさん

事業内容:システムインテグレーション事業

社員数:20名

リファラル採用率:ほぼ100%

・リファラル採用への取り組み

元々リファラル採用活動は活発で、技術系の社員が多く、会社としても案件ありきで採用することが多いため、創業時からほとんどのメンバーがリファラルで採用されてきた。気になる人にはTwitterでアプローチしたり、飲み会の席で隣り合った人や、自社運営のシェアオフィスで出会った人も採用したことがあると言う。

・実際にあったリファラル採用の失敗例

事例1:社長や会社関係者からの紹介された人材を、スキルマッチはしていたので採用したところ、思っていたタイプと違い結局すぐにやめてしまった。

事例2:Twitterで「辞めたい」とぼやく方を見つけ、フォロワーも多いため魅力的に感じ、飲みに行き仲良くなり採用に至ったが、実はコミュニケーション下手すぎて現場で活躍することはできなかった

事例3:リファラル採用してみたものの、だんだんと性格が横暴になるも、紹介者が社内にいたり、労働法も関わるため辞めさせることができなかった。結果喧嘩別れしてしまうことになった。

事例4:精神的な病を持っており、入社前に完治したというが、実際は直っておらず再発し、案件に穴を開けてしまった。

・リファラル採用における解決策

  • 他者紹介やSNSのフォロワーなど、一見信頼性のありそうな材料は一旦無視し、ゼロベースで採用面接を行い、信頼を築いていく。
  • リファラル採用であろうと、採用活動に妥協しない。
  • 本人が伝えづらいであろう情報・聞きづらい情報は先に会社側から伝える。もしくは判断基準をもうけ曖昧にしない。

2社目:外部からの紹介には要注意!リファラル採用でも手を抜けない本当の理由

ヒアリング対象:Bさん

事業内容:人材紹介事業

社員数:70名

リファラル採用率:不明

・リファラル採用への取り組み

人材紹介会社のため、元々人材の流通量が多く、そこから自社に採用することが多い。会社をよく理解している社員や業界関係者からのリファラルもあり、多くの人材をカジュアル面談を経由し採用している。

・実際にあったリファラル採用の失敗例

事例5:過去に自社に面談にきた方から友人紹介があり、インターンで事業を理解したのちに本事業部で採用してみたものの、社外の人間が思うその会社のイメージと、実際に行う業務との解離があり、入社後数ヶ月で辞めてしまった。実際、通常の採用面接と比べて採用過程を省いていたこともあり、認識の齟齬が生まれてしまっていた。

・リファラル採用における解決策

  • リファラル採用だからといって、社員以外の紹介は認識の齟齬が起きている場合が多く、事業の概要を知っている人からの紹介でも、ポテンシャルがありそうでも、採用の過程はしっかり通過させるべき。

3社目:意外と知らない?スキルや他部署からのリファラル採用のハナシ

ヒアリング対象:Cさん

事業内容:人材採用支援事業

社員数:49名+臨時雇用者26名

リファラル採用率:80%程度

・リファラル採用への取り組み

自社社員のほとんどがリファラル採用で、辞める人が殆どいない。しかし、人材支援先の企業ではリファラルでの採用を失敗した話をよく聞くという。

・実際にあったリファラル採用の失敗例

事例6:人材支援を行っている企業から、一時的に派遣してもらうのではなく直接採用したいという声が時々上がる。入社前に十分に議論し採用プロセスを経ているはずが、スキル面を見過ぎてしまっているがために、採用後すぐ社風に合わないなどの理由で離職することがある。

事例7:特に大企業の場合、部署ごとに雰囲気が大きく違っていたり、実際に必要なスキルは、他部署のメンバーにはわからないことも多い。そのため、例えば他の部署の方が紹介した方が、想定していた業務と違ったり、社風が合わないなどで辞めていくことが多いようだ。

・リファラル採用における解決策

  • 自社に合う人材をしっかり定義し、特に社風で合わずやめてしまう方を減らすよう徹底的に議論し振るう方法を決めておく。
  • 他部署の方にもわかりやすいよう、リファラルをする際に候補者にみてもらえるようなスキルセット、経験、社風などをわかりやすく記した記事や資料を用意する。

4社目:いつまで社長が採用するの?スタートアップのリファラル失敗事例

最後は、様々な規模のスタートアップに携わってきた方のお話しです。

ヒアリング対象:Dさん

事業内容:IT事業企画・開発

社員数:数名〜80名程度

リファラル採用率:数%〜100%

・リファラル採用への取り組み

ここ数年で様々なスタートアップの立ち上げや役員をになっているDさん。立ち上げ期はほとんどの企業がリファラルでの採用となることが多く、社長など事業の方向性を十分に理解している人が直接採用することが多いため、ミスマッチに繋がりにくいという。

しかし、シリーズB・C・Dと成長していくにあたり、人数も増え、階層ができ、ミスマッチが増えてくるという。

・実際にあったリファラル採用の失敗例

事例8:伸びている企業に起こりがちだが、「これから会社が成長していく」ことを期待し応募してくることがあり、それを見破れず採用してしまうと、受動的なメンバーは活躍することができず、実際解雇することも難しく、お荷物社員となってしまった。

事例9:経営者からの紹介でエンジニアを採用したものの、スキルのミスマッチだった

事例10:スタートアップのCFOなど、特定の経験が欲しいポジションに対し、似てはいるが十分ではないスキルの方がたくさん紹介され、採用担当の手間を割いてしまった。

・リファラル採用における解決策

  • スタートアップ への期待値を調整し、事前にそのような人が応募してこない仕組みを作る。
  • 紹介者への気遣いはしない。
  • 重要なポジションに関しては、スキルや資格だけではなく、どのような経験をしている人が望ましいかを明確に共有する。

リファラル採用がうまくいくポイント

前章で実際にあったリファラル採用の失敗例を10件ご紹介しました。

他のサイトでは公開されてない、本当に注意するべきポイントはこちらです。

  1. 紹介者に気を使わない
  2. 紹介者やSNSでの評価は無視し、ゼロベースから相手のことを知る
  3. 社外や他部署からの紹介は、理解しているようで認識の齟齬が生まれていることが多く、面接や説明は省かない。妥協をしない
  4. お互いが提供できることを明確にし、期待値のコントロールを確実に行う。
  5. 社内にリファラル採用を促す際は、スキルや経験、求める社風やビジョンなど、詳細な内容を共有し、候補者にも共有できるようにしておく。

おわりに

今回は一般的に有名な企業のリファラル採用事例ではなく、筆者の身近な企業のリファラル採用における失敗と解決策をご紹介しました。この記事を読んで少しでもリファラル採用がうまくいく よう願っています。