大きく変化する働き方に対する価値観と採用環境

今、採用環境が大きく変化してきています。今まで、求人広告や人材紹介会社で採用ができていた層が採用しづらくなったり、採用コストが上がったり、また採用におけるミスマッチが問題となっています。

特に採用コストはここ5年で平均2倍になっているというデータもあります。
参考:https://en-gage.net/content/cost-per-transition

これらの問題は、人材不足といったマクロなものから、仕事に対する価値観の変貌やテクノロジーの発展や採用手法の多様化など様々な状況の変化が起因しています。

今後、長期間に渡って自社の採用を成功させていくために、企業はこれらの変化に対応していく必要があります。

以下では、これらの変化の中でも特別重要な3つの変化に関して解説していきます。

採用環境の変化① 若者世代の企業選びのポイント

楽しく働ける環境を見つけるために企業の社風を重視している。

ミレニアム世代やZ世代といった言葉をご存知でしょうか。インターネットやSNSと密接に関わってきた若者世代のことをさし、彼らはそれより上の世代とは全く異なる価値観を持っています。

特に働き方に対する価値観は、従来以上に金銭的報酬以外の面を重要視するようになっています。

マイナビが調査した「2020年卒 マイナビ大学生就職意識調査」によると、学生の「就職観」は「楽しく働きたい」が38.6%でトップとなっています。
参考:https://saponet.mynavi.jp/release/student/ishiki/survey2020/

この「楽しく働きたい」という観点で企業選びを行う際に彼らがみるのは、金銭的な報酬や待遇以上に、その会社の働いている人や、文化、成長といった社風の面を考慮します。

社風が伝わる媒体の急成長

この企業の社風を重要視した会社選びのトレンドにのっかるように急成長している媒体としてVokersが運営するオープンワークやWantedlyが挙げられます。

オープンワークは実際に働く社員の口コミが掲載されている求人媒体で、現在登録ユーザー数は290万人でここ5年で6倍の伸びを見せています。

Wantedlyは企業と求職者が待遇や給料などの条件ではなく、企業の想いや社風といった面で共感してマッチングする共感採用プラットフォームで、媒体に給与や待遇を記載することを禁止しています。現在ユーザー数は209万人で、ここ5年で7倍の伸びを見せています。

オープンワークとWantedlyの両方に共通していることが、若手世代のユーザー層が多いということです。30歳以下のユーザーの割合で見ると、オープンワークは6割、Wantedlyは4割です。

このように、利用する媒体からも若手世代が企業選びにおいて社風を重視する傾向が強まっていると言えます。

AIの台頭により、金銭的報酬ではモチベートされない職種が多くなる

さらに、テクノロジーの発展も社風重視の企業選びへのシフトを促します。

以下のグラフは、AIによっ代替される可能性の高い仕事と低い仕事を示したものと、報酬の額と仕事のパフォーマンスの相関関係を示したものです。

グラフからはわかることは、これからの時代は、AIによって単純労働が淘汰されて行きます。淘汰されない職業というのはクリエイティブワーク、すなわち創造的労働と呼ばれ、これらの仕事は金銭でモチベートすることができないということです。

働き方の変化

 

対応策:企業は社風の情報発信に尽力

このように、これからの時代は、給与や待遇といった条件に加えて、働く人の生の声や、現場の雰囲気、会社の文化やVision、成長できる環境なのかといった点での魅力が大切になってきます。

令和時代の採用を成功させるために、企業はこれらの魅力を磨き、積極的に発信していくことが大切です。

採用環境の変化② 情報量の増加

デジタル化によって情報量が激増

総務省の発行する情報通信白書によれば、ここ10年間で国内のデータ通信量はおよそ6倍に増加しています。参考:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc121210.html

消費者一人が受け取る情報の量が膨大となり、この影響は広告にも響いています。最近よく以前よりも広告の効果が薄れてきたという声が上がるのも、単純に消費者が以前より多くの広告に触れるようになったことが原因の一つです。

そして、この影響は求人広告にも響いています。

まず求人倍率自体が急上昇しており、さらに、様々な媒体で求人情報が発信されるため、求職者一人あたりの求人との接触回数も増加しています。

特にダイレクトリクルーティングの一環として今や採用のスタンダードとなってきたスカウト機能は、求職者の立場からすると、優秀な人材であれば登録するだけで数十件、数百件のスカウトが来ることは少なくなく、明らかに情報過多の状況に陥っています。

ノーマルな情報はスルーされる

このように情報過多の状況において、求職者の求人を見る目は以前より肥えていることは間違い無いでしょう。

シンプルな募集要項の情報のみの求人では、他との差別化ができておらず、求職者の記憶に残ることはありません。

そもそも大量の求人を流し見している時に、他となんの変わりもないタイトルやアイキャッチ画像では、求職者の目に留まることもなくなります。

対応策:自社の魅力を見直しして、他とは違うメッセージを作る

今まではシンプルな募集要項でうまくいっていたとしても、これからは厳しくなってきます。

採用を成功させるためにも、企業は今一度自社の魅力に関して様々な視点から分析してみて、求職者からみた時に目に留まる他とはしっかり差別化できたメッセージを作る必要があります。

採用環境の変化③ 新しい採用スタイルの浸透

求人広告・エージェント・合説以外の選択肢

ここ最近で時代の変化とともに新しい採用手法が次々と生まれてきています。

今までは、求人広告やエージェント、合説などが企業と求職者との最初の接点となることが多かったのですが、もはやそういった媒体を通さずとも採用が可能となっているのです。

  • 求職者のデータベースを活用して、企業から直接採用候補者に連絡をするスカウト型採用
  • 社員に彼らの知人を紹介してもらい採用に結びつけるリファラル採用
  • TwitterやInstagramで採用アカウントを運用して直接採用に結びつけるSNS採用
  • Meet-upといった社員と採用候補者の方が交流しながら中長期目線で採用に結びつけていくmeet-up採用

これらの採用スタイルはどれも企業が直接求職者にアプローチをかけるダイレクトリクルーティングと呼ばれるものです。

そしてこのダイレクトリクルーティングは多くのメリットがあることからしっかり浸透してきています。

(採用コストが削減できる・採用のミスマッチが解消される・社員全員が人事的な役割を担うことで一体感が生まれるなど)

対応策:新しい採用手法を試す

長期視点で自社の採用力を継続して強化していくには、これらの新しい採用手法をいち早く取り入れることは大切になってきます。既存の採用手法から完全に切り替えるということではありません。既存の採用手法も引き続き行いながら、新しい採用手法も一つの柱としていくことをおすすめします。

なぜなら、これらの新しい採用手法というのは時代の変化と共に編み出されるものであり、若手世代にとっては当たり前の手法になっていきます。そうなった時に、若手人材の既存の採用媒体への流入が減ることは十分考えられます。

まとめ

昨今の採用環境は確実に変化しています。その変化をしっかりと捉えて早いうちから対応策を練ることが、中長期的に採用を安定させるためには欠かせません。

これからも様々な変化があると思うので乗り遅れずについてく努力が必要です。